肩関節、腱板損傷について

おはようございます。理学療法士の齊木です。

肩関節の腱板(けんばん)は、腕の骨(上腕骨)と肩甲骨をつなぐ4つの筋肉と腱から構成され、腕を動かす際に安定感を高め、重要な器官です。

腱板損傷とは、これらの腱が加齢や使いすぎ、転倒やスポーツなどの外傷によって傷ついた状態を指します。中高年では老化により、小さな負荷でも損傷することがあります。

若年者では投球動作や重量物の持ち上げなど、繰り返しの負担が原因となることが多いです。

主な症状は、肩の痛み、引っかかり感、夜間の痛み、筋力低下などです。特に「夜寝るときに痛くて目が覚める」「髪を結ぶ、洗濯物を干すなどの動作がつらい」といった訴えが多くみられます。

完全断裂の場合には、「腕を上げようとしても力が入らず上がらない」など聞きますが、多くの例が部分的な損傷であり、適切な保存療法により改善が期待できます。

リハビリテーションでは、痛みの軽減と肩機能の回復を目指します。まず炎症期には、安静と鎮痛処置、温熱療法や物理療法を行い、痛みを抑えることが大切です。痛みが落ち着いてきたら、理学療法士の指導のもとで段階的に運動療法を始めます。初期は肩甲骨の動きを整え、肩周囲の筋肉をリラックスさせるストレッチを中心に行います。その後、腱板筋群を鍛える軽い筋力トレーニングへと移行します。これにより肩関節の安定性が高まり、再損傷を防ぐことができます。

また、日常生活での姿勢や動作も重要です。猫背姿勢や無理な腕の使い方は肩への負担を増やします。デスクワーク中は背筋を伸ばし、肩甲骨を軽く引き寄せる姿勢を意識しましょう。リハビリは焦らず継続することがポイントで、早期に適切なリハビリテーションを始めることで、肩の可動域と機能の回復がよりスムーズになります。腱板損傷は放置すると慢性化しやすいため、肩の痛みを感じたら早めに医師への相談をおすすめします。

まずは相談してください。一緒に良いリハビリ方法を探し、頑張りましょう。