おはようございます。理学療法士の深澤です。
今日は手根管症候群についてお話しをしようと思います。
この疾患は手のしびれを訴えて整形外科を受診する方の中で、最も多い疾患です。特に30~50歳の女性に多く見られます。親指・人差し指・中指・薬指にしびれがみられ、朝方や手を使う動作で強くなる傾向にあり、進行すると親指と人差し指をくっつけるOKサインができにくくなります。この疾患は、手根管の中にある、指先の感覚や手の運動に関わる正中神経が圧迫されることにより、痺れや痛みなどの症状が現れます。ほとんどの場合、原因は不明ですが、手首を伸ばした状態で繰り返し力を入れる動作を頻繁に行う方や、不適切な姿勢でコンピュータのキーボードを使用している方に発症しやすいとされています。
手根管とは、手首の手のひら側にある、いくつかの骨と靱帯で作られるトンネル状の空間のことをいいます。手根管には指先の感覚や手の運動に関わる神経、手首や指を動かす健、血管が通っています。
一般的な検査の方法として、症状の誘発を行う方法があります。胸の前で手首を曲げ、手の甲を合わせた状態で1分以内にしびれが増してきたら陽性となり、手根管症候群の可能性が高いと言われています。また、手首の手根管部分を指で圧迫し、30秒以内に親指から薬指にかけてしびれや痛みが増してきたら陽性となり、この場合も手根管症候群の可能性が高いとされています。その他にも、神経伝導速度検査といい、検査装置を使い、神経の伝達速度の遅延を検査する場合もあります。
先日担当した、典型的な手根管症候群の症状を訴える患者様のお話をしようと思います。この方は、仕事中から仕事後に片方の親指・人差し指・中指の違和感と前腕部の張り感を訴え、当院にて手根管症候群と診断されリハビリを開始しました。
普段は症状がみられないため、仕事中の手の動きや姿勢等をチェックした結果、作業中の不良姿勢や手指に過度な負担がかかっていることが分かりました。症状は出ていませんが、頚・肩周囲や前腕の筋肉にも強いこわばりがみられました。
治療は、筋肉の緊張を緩和し、手根管内の圧力を下げる手技・筋健の滑走性を上げる手技を行い、仕事中の上肢の姿勢や手根管に負荷がかかる作業を連続して行う時間のコントロール、予防の体操指導を行いました。
治療を行い、少しずつ症状が軽くなり、症状を出さないように生活を送れるようになったと仰っていました。
手首や手指の症状でお悩みの方がいらっしゃいましたら、ご相談ください。
リハビリでは、通院時だけでなく、ご自宅で行う運動や予防の為の体操指導なども行っています。
この記事が、皆様の日々の健康にお役立てできれば幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。