変形性頚椎症について

おはようございます。理学療法士の利根川です。

最近、首や肩のこりが取れない。

朝起きたときに首が回りにくい。

手や腕にしびれを感じることがある。

そんな症状が続くとき、「変形性頚椎症(へんけいせいけいついしょう)」が関係しているかもしれません。

🔸変形性頚椎症とは?

首の骨(頸椎)は7つあり、その間には「椎間板」というクッションのような組織があります。

年齢とともに椎間板がすり減ったり、骨が変形したりして、神経の通り道が狭くなることがあります。

この状態を「変形性頚椎症」と呼びます。

変形性の程度や圧迫される場所によって、症状の出方はさまざまです。

・頚部の局所症状:首や肩の痛み、こり感

・神経症状(頚椎症性脊髄症):手先の細かい動作がしづらい、足がもつれる、歩行が不安定になる

・神経根症状(頚椎症性神経根症):首から腕、手にかけてのしびれ・痛み・力の入りにくさ

といった症状がみられることもあります。

🔸治療の基本

ほとんどの場合、まずは**保存療法(手術をしない治療)**で改善を目指します。

痛み止めや血流をよくする薬、温熱療法、リハビリなどが行われます。

強いしびれや力の入りにくさが続く場合は、整形外科で画像検査を受け、神経の圧迫具合を確認することが大切です。

🔸リハビリでできること

リハビリでは、首そのものを無理に動かすよりも、首の負担を減らす姿勢や動かし方を整えることを大切にしています。

・首や肩周り(僧帽筋上部、肩甲挙筋、鎖骨下筋)などの緊張をゆるめる

・胸椎や肩甲骨の動きを改善して、首の代わりに動けるようにする

・手先や腕の神経の動きをスムーズにする(神経モビライゼーション)

といったアプローチを行うことで、痛みやしびれの軽減を目指します。

🔸日常生活で気を付けたいこと

・長時間の下向き姿勢(スマホ・パソコン作業)はこまめに休む

・画面は目線の高さに調整する

・枕の高さを見直し、首が反らない姿勢で眠る

・強く首を回したり、引っ張ったりするストレッチは避ける

ちょっとした工夫で首の負担を減らすことができます。

🔸まとめ

首の痛みや手のしびれは、放っておくと日常生活に支障をきたすこともあります。

「年のせいかな」と思っても、原因を知ることで対策はできます。

気になる症状が続くときは、早めに整形外科を受診し、リハビリスタッフにご相談ください。

身体の状態を一緒に確認し、改善の方法を見つけていきましょう。