おはようございます。理学療法士の深澤です。
今日はロコモティブシンドロームについて話します。
運動器障害によりに立ったり歩いたりするための身体能力(移動機能)が低下した状態を「ロコモティブシンドローム(ロコモ、または運動器症候群)」といいます。運動器とは、身体の運動に関わる骨、関節、筋肉、神経などの組織や器官の総称です。この運動器が連携して働くことにより、身体を動かすことができます。運動器障害とは、骨粗鬆症、変形性関節症、脊柱管狭窄症、関節リウマチ等によって、片足立ちでバランスを崩してしまったり、つまずいたり滑ってしまう、いわゆる身体機能の低下のことをいいます。
ロコモは進行すると、暮らしの中での自立度が低下し、介護が必要になるリスクや寝たきりになるリスクが高まります。また、運動機能の低下により転倒し、骨折をきっかけに介護が必要な状況や寝たきりになる場合も考えられます。
ロコモ度テストを用いた住民調査から、ロコモと判定される人は4590万人と推定されます。日常生活には支障はないと思っていても、ロコモになっている場合や、すでに進行している場合が多くあることが分かっています。いつまでも歩き続けるために、ロコモの予防や進行を抑えて運動機能を落とさないようにし、健康寿命を延ばしていくことが大切です。
簡単にではありますが、ロコモ度の分類について記載します。ロコモ度を評価する為のテストがいくつかあります。下肢筋力を測り移動機能を評価する『立ち上がりテスト』と歩幅から筋力やバランス能力、柔軟性を測ることで歩行能力を総合的に判断する、『2ステップテスト』、また、身体の状態、生活状況からチェックシートを用いて判断する『ロコモ25』があります。ロコモ度はロコモ1からロコモ3の3段階に分けられます。この記事では詳細は省きますが、数字が増えるほどロコモが進行しているという判断になります。臨床現場では、該当したロコモ度のうち、最も移動機能低下が進行している段階を判定結果とします。どの段階にも該当しない方は、ロコモではないと判断されます。
今度は、ロコモ予防で大切なことをいくつか記載します。ロコモの対策はまず運動習慣をつけることです。運動は、ウォーキングなどの有酸素運動と筋力トレーニングの両方が重要です。また、運動は続けることが大切で、今行っているスポーツや体操がある方は続けることもお勧めです。ロコモ予防でよく紹介される運動として、スクワット、片脚立ち、踵上げの運動があります。どの運動も無理をせず、毎日続けられる程度の負荷で行いましょう。運動の他に、栄養バランスがとれた食事を1日3食摂ることも大切です。特に骨と筋肉を強くする栄養素であるカルシウム、ビタミンD、ビタミンK、たんぱく質が含まれる食事を摂れるよう心掛けましょう。
ロコモ予防は早すぎるということはありません。運動器障害や加齢によって筋肉や骨密度が減ってしまう前からロコモ予防を始めてみてはいかがでしょうか。
この記事が、皆様の日々の健康にお役立てできれば幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
